一週間の始まり。 月曜日は嫌いだ。 「おはよ、莉子」 ふわっと甘い香りがした。 せっけんみたいな。 読んでいた本を閉じて顔をあげる。 「おはよう。手袋してこなかったの?」 真っ赤になっている志帆の手を見つめながら聞く。 手袋なしで自転車はキツイな。 ポケットから持っていたカイロを出して志帆に渡した。 「うわ、ありがとーっ! あったかーい」