エスカレーターはこの駅にはない。
短い階段を上り改札を抜けてホームへと階段をまた下りていく。
電気の光のおかげでさっきより明るくなり結城くんの顔をはっきりと見ることができた。
女の子なら誰でも憧れるような白い肌にワックスもなにもつけてないサラサラな黒の短髪。鼻筋は通ってるし目が大きくて綺麗な二重。
んー……? この顔知ってるかも?
「あぁ……! 一年で一番上手い子だよね?」
「えっ?」
私にいきなり話しかけられてかなり驚いてる様子の結城くん。
声裏返ってる……
可愛いな、この子。
「一年生の中で一番上手いんでしょ? 部長さんが言ってた。中学ん時やってたの?」
部長さんっていうのは男子バドミントン部の部長さん。
名前は澤田くんというのだけれど名前を知らなかった私は部長さんと呼んでいた。



