水分補給をしながら他のコートに顔を向けて一生懸命落ち着こうとしている結城くん。 なんとか粘って粘ってファイナルゲームまで持ち込んだ。 これに勝てば県大会出場。 体力的にも精神的にもかなりきているだろう。 結城くん…… 何度も心の中で名前を呼んでは唇を噛み瞬きひとつしないでその姿を見つめる。 自分のミスで相手に点数をやってしまう。 それだけは避けたい。 ミスるように仕掛ける結城くん。 一本一本丁寧に確実に返す。 なんという頭脳プレー。 「接戦だね……」