恋の魔法に



「先輩の手、冷たくて気持ちいい」



ふにゃっと力なく笑う結城くん。


その頬に手の甲を当てた。
予想以上に熱くなっててびっくり。



熱を逃がさなきゃ。
体育館の中はここよりももっと暑い。


そんな中で試合をやるなんて今の結城くんには厳しいかも。




「先輩……俺に頑張れって言ってください」




むくっと起き上がり首を回しながらストレッチを始める結城くん。



勝ってほしいけど……身体の方が心配だよ。