恋の魔法に




順調に勝ち進んでいるうちの学校。


ベンチにぐったりと横になってる人をうちわで扇いだり、お金を渡されて自動販売機まで飲み物を買いに行ったりと忙しい私と志帆。


マネージャーになった気分。



「大丈夫?外の空気吸った方がいいんじゃないの?」


「うーん……ちょっと行ってくる」



タオルとラケット片手に歩いていく三年生のその背中を見送って他の部員たちに目を向ける。



うーんと、他は大丈夫かなぁ。
熱中症で倒れられたら大変だよ。



「先輩って面倒見いいですね」



試合から戻ってきた結城くんは涼しい顔でパンを頬張っていた。


時計を見ると時刻はもう正午を回っていた。



私もご飯食べよう。
お腹空いたなー。



「お疲れさま。次、勝てば県大会出場決定でしょ?」


「……はい」