なかなか私の方に顔を向けてくれない結城くんの学ランの袖を遠慮がちに掴んで引き止める。
「……先輩に優しくされると甘えたくなるんですよ。その優しさに」
少しかすれたその声に胸がドクンと大きく跳ねた。
伏し目がちに話すその顔をじっと見つめてると視線をあげた結城くんと目があう。
どんどん加速していく胸の音。
ドキドキと強く打たれて少し苦しくなる。
これは私にしか聞こえてないはずだよね?
結城くんにも聞こえてたらそれは……困る!
「勘違いしそうになるんですよ。先輩も俺のこと好きなのかなって」
私の手をそっと掴んで自分の腕からはがす結城くん。
なんでそんな悲しそうな顔してるの。



