恋の魔法に




その時、学ランの男子が視界の端に映ってはっと顔をあげる。


私たちの横を通り過ぎてスタスタと歩いていくその後ろ姿。



「じゃあまたね!」早口にそう言って私は小走りでその背中に近づく。




「結城くん!」




斜め後ろから声をかけてみると顔を少しこちらに向けてくれた。


少し驚いた表情の結城くん。


人違いじゃなくてよかった。
やっぱり結城くんだったか。




「あー……すみません。やっぱさっきの葉山先輩でしたよね」




結城くんは歩くスピードを落として私の隣に並んだ。