足元にあるエナメルバッグとラケットに視線を落とした。 ……あー、なんもやる気起きない。 ずっとこうやってぼーっとしてたい。 「結城くん?」 この声…… ゆっくりと声のした方に顔を向ければよく知った顔がそこにあった。 「……葉山先輩」 「お疲れ様! こんなとこで何してたの?」 先輩は俺の隣まで歩いてくると手すりに腕をのせて真下を見下ろした。 そっか……ここ先輩の地元だもんな。 今、大会の帰りなのかな?