≪≪≪結城奏斗side  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 歩道橋の上から真下を見下ろしていた。 流れるように走る車たち。 どれぐらいの時間が経っただろうか。 たぶん、1時間ぐらいはこうしている。 そろそろ帰らなきゃだよなぁ…… 寒さのせいで感覚がなくなってるつま先。 手も赤くかじかんでいて指がうまく動かせない。 右手首にそっと触れた。 ――結城、手首どうかしたか? ――大丈夫です。できます。 顧問の先生の声がまだ耳に残っている。