「赤外線できる?」
「はい。ガラケーなんで」
「私もー」
二人ともスライド式の携帯電話だった。
結城くんの携帯についている小さなクマのぬいぐるみに目が奪われた。
か、可愛いクマさんだっ……
こんなものをつけてる結城くんも可愛いんですがっ!
「ありがとうございます。メールしてもいいですか」
「あ、うん。いつでもどうぞです」
私の視線に気づいたのか結城くんはクマを私の顔の前まで持ってきた。
可愛いんだけどこのクマさんっ!
「これ気に入りましたか?」
「え? い、いや……可愛いものつけてるなぁって思っただけだよ」
彼女さんとお揃いだったり?
「彼女さんとお揃い?」
「違いますよ。友達がお土産に買ってきてくれたんです」



