ラジオ【短】

「…あ、もう5時だ。大丈夫?」


田中さんがふと、時計を見て言った。


「ああ、うん。俺帰宅部だから…」


「そっか…」


田中さんはふっと微笑むと、もう一回、口を開いた。


「でも、それなら尚更。帰ろっか。」


田中さんが立ち上がったため、僕もイヤホンを外して、立ち上がった


田中さんの手のひらにそれを乗せながら、僕は微笑んだ。


「ありがとう。」