ラジオ【短】

「曲名がわからない名曲を聴くって、いいでしょう?」


田中さんが楽しそうに微笑みながら呟いた。


僕も楽しくなって、微笑んでうなずいた。



そこから、30分くらいは放心状態で2人でラジオを聴いていた。


たまに交わす会話は、とても楽しかった。



田中さんは、この感じを、いつも1人で楽しんでいたのだ。


それを今、僕と共有している。


それだけで少し、嬉しくなった。