当の本人も知ってるはず…。
「ゴメンね…。この頃シュークリームで…。予算がなくて…。」
「…分かってたんかい?!なら、安物でいいじゃん。」
「でも…美音…の…好きなお菓子…知らないんだもん…。」
そういう事ね…。
梓はションボリしている。
「なら、言うね。チョコレート、ポテトチップ…とりあえず、この二つが一番好きかな?」
「ありがとう…。明日…遅れて来るけど…いい?」
「何かあったっけ?」
「学校…。成績優秀だから…別に行かなくていいけど…テストは…必ずだって…。」
「なら、ここで勉強すれば?」
「ううん…。大丈夫…。今はこれが楽しみだから…。テストの事を忘れられるから…。」
そうだった…。
私は入院だけど…梓は、学校だったよ…。
すっかり忘れてた…。


