「あーやって笑った事ないわよ?」



「……。」






「美音…父親がいないのよ。」




…えっ?











「美音…言ってたわよ。
“若葉高校ではじめての友達出来たんだ‼梓っていうの。可愛いんだよっ‼私は…梓を手離したくないよ。約束もしたしね。”って。
嬉しそうだったわ。

大切にしてあげて?あなたしかいないんだから。」














美音…


















美音が笑いながら、"梓"って呼ぶのが頭の中に浮かんだ。


















「言おうとは思ったわよ?でも…自分からいうって聞かなくて。」



辛そうな顔をして私に話した花音さん。