「お義父…さん、お義母…さん、みつ…ると、結婚…ゆる…して…くれ…て、ありが…とう…ござ…いま…した。早…く、逝く…嫁を…ゆる…して…くだ…さ…い。」
お袋も親父も頷いた。
お袋に至っては、泣いていた。
「みつ…る。み…な、せ、だきたい。」
ほんとうは、そんな力ないはずだ。
水瀬をだく力など。
それだけじゃない。
しゃべる体力だって、無いはずだ。
「七瀬。」
「み…なせ、ごめ…んね。」
水瀬はキョトンとしていた。
2歳と言っても、水瀬はほぼ、七瀬と、暮らしたこと無い。
そして、今、水瀬は、眠っていた。
「みつ…る。ありが…と。愛し…て…る。」
七瀬は、そう言うと、目を閉じた。
そして、
二度と起き上がることはなかった。