決まって、平和というものは、長くは続かない。

いや、続いても必ず。

不幸はやってくる。

不幸は、水瀬が、1ヶ月になった頃、やってきた。

突如、七瀬は、部屋に座り込んだ。

そして、嘔吐した。

何度も、何度も。

「七瀬⁈」

幸い、その時、俺がいたため、すぐに病院へ連れて行った。

即、入院と言われた。


水瀬は、仕事のあいだ、お義母さんに、預かってもらった。

「満、」

七瀬は、弱々しい目で俺を見つめた。

それと同時に、柊花と、千鶴が飛び込んできた。

「七瀬⁉」

「大丈夫なのっ⁈」

俺は、正直、ホッとしていた。

こんな時。

何をすればいいのかわからない。

下手に声をかけても、余計に傷をつけることになる。

「大丈夫だよ。私は、大丈夫。」

強がってはいるが、声も、顔も弱々しい。

「七瀬、溜め込まないで少しはあたしたちを頼ってよ。ねぇ、あたしたちは親友でしょう?」

そう。俺と七瀬が、夫婦であるように
七瀬と柊花、それに千鶴は親友だ。

だから、俺よりある意味、頼りになるかもしれない。


「ありがとう。でもね、わたしは強くいたいの。」

「七瀬…。」

「だって、私は新見七瀬だから。」