次の日。
「満ー。歌詞はできた⁇」
千鶴が俺ににっこり笑いかけてくる。
「……出来たぞ。」
そう言って、歌詞の束を渡す。
一つ幸いだったのが、昨日が金曜日だったこと。
土曜日なら、学校は休みだから。
「…いい歌詞……。綺麗な歌詞ね。」
「さんきゅ。」
めずらしく、千鶴が人を褒めているのに、眠気に負けて、気がつかなかった。
「柊花も、書いてきたかしら。」
どうやら、あの無茶な締め切りは柊花もだったらしい。
「おはよう。これ。」
やはり、柊花にも、クマが出来ていた。
大きな。
「うん。いいわね。満の方のテーマは夢。柊花の方は未来。」
頷いて、嬉しそうに笑う、千鶴。
どうやら、締め切りだけ一緒で、テーマは違ったらしい。
「満たちは、柊花の、柊花たちは、満の歌詞で歌ってもらうわ。」
「「え?」」
俺と柊花が同時に聞き返す。
確か、書いてとは言われたがそれを歌うとは言われ……てない‼
うわー……。最悪だー……。
「ってことで♥あとで楽譜渡すわ♥」
にっこりウィンク付きで
なんで、千鶴の機嫌が良かったのかが、よくわかった。