「七瀬‼」
柊花の、響く声が聞こえた。
「柊花ちゃん…⁇」
「先輩方、満先輩のこと、好きなら、こんなことしてちゃダメですよ?」
あくまで、可愛らしく。
でもどこか、棘のあるものいい。
なんだか、俺が言われてるみたいだ。
七瀬が好きなら、黙ってちゃダメだと。
「ねぇ、先輩。誰の権限でこんなことしてるんですか⁇」
「だって、満くんの邪魔は私達が排除しなきゃいけないじゃない‼」
俺の邪魔はあいつらが排除⁈
なんで、あいつらになんの権限があるんだよ‼
「その気持ち、満先輩には、ただの迷惑だと思いますよ。先輩方。」
「あなたに、何がわかるのよ‼」
さっき、満先輩と呼んだのは、七瀬だった。
いつもなら、誰がいても先輩なんて、つけないのに。
「それなら、先輩方に、満先輩の何がわかるんですか⁈私の何がわかるんですか⁈私は、満先輩の幼なじみってだけです。満先輩のことが、好きなだけです‼」
七瀬は啖呵きって、叫んだ。
「七瀬…?」
「この気持ちは、誰にも邪魔させません。先輩方に関係ないでしょう⁈」
「七瀬‼」
気づいたら、俺は叫んでいた。
「柊花、そいつら、引き止めとけ‼」
柊花は、俺に向かって、ピースサインをした。
オッケーと言う意味だろう。
俺は、階段へと、駆け出した。

