love letter ~顔も知らない母からのメッセージ~



「七瀬、よく、高等部のお姉様方に呼び出されているわ。」

七瀬が、呼び出し……⁇

「嘘だろ⁈」

嘘に決まってる。

「気づかなかった⁈七瀬の髪‼七瀬の腕。七瀬の足‼」

そういえば、言われてみれば最近七瀬は露出を控えている。大胆なとかじゃなく、今の季節なら、去年なら、半袖だった。なのに、今年は、まだ、長袖だ。

髪も暑かったから、切ったというには、微妙な長さだった。

「わかった⁇あんただけが、頼りなのよ。私や翔希じゃ、七瀬は強がる。」

俺の前でも強がる。

その言葉を飲み込んで、わかったと頷く。

俺に責任があるのかもしれない。

「‼…にしろよ‼」




「‼七瀬…。」

柊花が、小さくつぶやいた。

「あいつら…。」

「クラスの人⁈」

「隣のクラスだ。」


「行かないの⁈」

柊花の声に俺は、ハッと顔をあげる。

もう少し、待つと言った俺に柊花は、拳を降らせた。

「バカッ‼意気地なしっ‼」

そう言って、一気に階段をおりて行った。