それから、毎日のように、湊さんの家に僕と七瀬ちゃんは押しかけていた。

3年生になるころには、

すっかり、湊さんの家が遊び場になっていた。

その頃には、ちーちゃんとみっくんの七瀬ちゃんを取り合っての喧嘩はなくなった。

代わりに七瀬ちゃんのかわいいところを報告しあったり、語り合ってて、

ストーカーか!!って睦月さんに突っ込まれて、

そんな毎日が続いた。

もう一人の幼馴染の心寧は僕らの会話に入らなかった。

それに、心寧はもうすぐイギリスに行くらしいし。

「翔希、今日、僕たち、お仕事だから家にいないよ。ごめんね。」

そんな電話がかかってきた日。

七瀬ちゃんと僕は、湊さんのうちに向かっていた。

「七瀬ちゃん、どうする?」

「七瀬のお家は今、ダメなの。ママがお仕事忙しいから。」

七瀬ちゃんのお母さんは確か小説家。

忙しいのは当たり前かな。

「じゃぁ、僕の家来る?湊さんたち、運が良ければ会えるかも。」

実際、会えないことはない。

そう思って聞いてみると七瀬ちゃんの顔は、すっかり明るくなっていた。

かなり、輝いていた。