水瀬へ。
だいぶ早いし流行の型じゃないかもしれないけど、
これは私の形見の一つ。
私のものはアクセサリー以外は処分してあるの。
でもそれだけはアクセサリーじゃないのに捨てられなかった。
満からもらった手紙や、洋服は捨てられたのに、この、
満と二人で考えてデザインしたこのドレスだけは
捨てれなかった。
捨ててもいいわ。
売ってもいい。
私が身につけた形見は全部、水瀬が真実を知った時に
渡して、好きなようにして欲しいって言ってあるの。
アクセサリー、も満が渡してくれるはずよ。
これで本当に最後の最後。
愛しています。
新見 七瀬

