9歳の時

レターセットだった。

お友達にたくさん手紙が書けるって

私はただ無邪気に喜んだ。

一番のお手紙はパパに書いてあげるんだって。

10歳の時リストバンドだった。

でも喜べなかった。

まだ新品のままとってある。

誰かに水瀬ちゃんのお母さんは何でいないの

って聞かれたときに、何も答えられなくて

母親が私を捨てたんだって思い始めた。

11歳の時は、

可愛い、筆箱だった。

時代とかそんなのなくて。

可愛いって素直に思えた。

今でも普通に使えるレベル。

でも、使わなかった。

12歳の時

ネックレスだった。十字架のネックレス。

あまりキラキラしてなくて私の好みのど真ん中だったけど、

つけられなかった。

私とパパを捨てたくせにって思った。

13歳の時

またネックレスだった。

今度は鍵の形。

これも華美じゃなくてすごくすごくつけたいと思った。

でもそれはパパを裏切るということだと思った。

14歳の時

初めてシャーペンやノートなどのセットをもらった。

文房具のセットも文句なしで可愛いものだった。

でも使う気になれなかった。

15歳の時

図書券をもらった。

丁度マンガを買いたかったしって思いながら、

使わなかった。

だって、使いたくなかった。