「新見七瀬って、ウソだろ。。。」

「ホント。パパ、演技うまいからね。」

TVではもっとクールだからね。

「うわ、マジか。サインとか・・・。」

「学校で広めたら、東京湾に沈めて魚の餌にするから。」

私はそう吐き捨てて早歩きをしだした。

明日は土曜日。

いつも誕生日だけは仕事を開けてくれるパパと1日一緒に思う存分過ごせる日。

「ロロは知ってるから。だからと言って。学校で話さないでよ。」


私は浅井に念を押して、校門をくぐった。

何でかは知らないけど、私たちが来る時間は誰も来ない。

速すぎるみたい。

無言で教室まで歩いていく


「おはよ。」


ガラッと扉を開ける。

『happybirthday!!水瀬!!』

「はい?!」

「一日早いけど、みんなでお祝いしたくて今日にしちゃった☆」

「水瀬ばっかみんなの誕生日祝ってんだしいいでしょ☆」

全体の人数が少ないこの学校では

私の学年は1クラスしかなく、

去年から始まってる。

確かに祝うのは私の役目。

だって、誕生日が、5月15日だから。

「これ、はい。」

その中でも特に仲のいい子たちがプレゼントをくれる。

「ありがとぉ。。。。」

「これはクラスから。」

「なっ\\\」

ロロとのツーショット。。。

皆の写真もまわりに貼ってある。。。

何でもない、ただの誕生日のお祝いなのに泣きそうになった。