「貴絵お嬢様、顔色が…」


「昔からよ、気にすることないわ。」


「ですが」


「いいから!!!」






広い室内に響く 高い声



自分の声が あまりにも 頭にきた





「失礼しました。」


「…蓮、水を持ってきて。」


「かしこまりました。」



軽く一礼するとスタスタと歩き
部屋から出ていった。










「っ……、」



やっと息ができた。







「はぁはぁ…っん、」






発作は年々増えていく一方で
誰にも知られていない

もちろん藤原にだって。


彼の前では一度も発作を起こしたこがない
それは私なりのけじめでもあるのか、

絶対に藤原に知られたくないし
今、私が原因不明の発作持ちを知った市民は?




―――…お父様は?







私をきっと、すぐにでも見離す。







「っはぁはぁ…」




息を整えて 吸って、吐いて、また吸って、
大丈夫、大丈夫なはずよ?

私は次期この国の王女になる



心配なんてそんなの必要ないわ。