「ふふっ、」
「あ!」
「貰ってあげるわ、」
「やった!」
この赤い宝石はわたしの色
わたし自身
悪くないわね、赤も。
「つけていい?」
「えぇ、お願いするわ?」
屈まなくともコイツは余裕をもってわたしに
ゆっくりと、冠を捧げた。
今まで沢山の贈り物を貰った。
高価なものや珍しいものを、
欲しくもないのに 贈られる。
嬉しくもない、だけど、
「なんだか、清々しい気分ね。」
そう言うと嬉しそうにコイツは笑った
無邪気に笑う姿は子供のよう。
「似合う!ちょー似合うね~!!」
「ふふっ、ありがとう。」
コイツはキラキラと目を輝せながら
わたしを物欲しそうに見つめる
わざとらしくため息をついてみた、
「きーえちんっ…!」
「…まったく、ほら、今回は特別よ?」

