可憐な華にくちづけを






ヒュッ─────スパッ、





「……。」


「へぇ…?只のお姫様じゃないんだね?」


「アナタも、只守られてるばかりじゃないのね?」


横に通りすがったナイフ。

ヘタしてたら顔に当たっていたかもしれない。



「貴絵お嬢様っ…!!」


「大丈夫よ、蓮。下がってなさい。」


「なっ…それは!」


「じゃあ蓮は俺と相手する?」


嫌な空気が流れる────



「俺達は失礼する。」



張り詰めた空気を破ったのは彼。