サッとさりげなく蓮は私を庇うように前に出る。 同様に羽鳥という者も彼を庇うように。 皆、皆……分かっている この目の前の人が危険だということを───。 「そんな顔しないでよお嬢…お姫様、」 お姫様────? 「アナタ…誰?」 「貴絵お嬢様っ…、」 何も喋るなと顔で訴えられる。 だって…動かなきゃ始まらないわよ? 「お姫様は守られてばかりだね、」 「…それは、アナタもじゃない?」 隣にいる優しそうな男の人の目は怖い。 「へぇ…、」 「貴絵お嬢様っ!!」