君がくれたもの



 夕日が完全に沈みかかる


 薄暗くなる


 私は泣いていた


 光輝は黙って海を見ていた


 「優奈…お前の夢ってなに?」


 「ゆ……夢?」



 「あぁ…お前がしたいことはないのか?」


 夢──────


 私は夢なんてなかった


 高校もなんとなく入っただけ


 夢なんて────



 「うーん、ないなぁー光輝はあるの?」


 光輝は上を見て


 少し黙った


 そして


 「大切な人の夢を変わりにかなえること」



 「え………?」