赤い髪の毛、たくさんのピアス。
それが私の特徴。
私は今、中学2年生の冬。
ついこの間まで小学生だった。
2年の2学期、私は登校拒否になっていた。
だから大半の時間がぽっかりとあいている…
そのせいかはわからないが友達とは距離があり
いつも自分の席で絵を描いている。
赤い髪の毛にピアス。
それだけでも目立つのに一人で静かにいるのが
もっと私を目立たせている。
1年生のときは明るいほうだった。
そのときも髪の毛は赤くてピアスも一応あいていた。
でもぜんぜん今とは違う。
一人でいることが多くなった。
「よぉ!!ひなこ!!!また絵描いてんの??」
一際目立つ背の高い外国人。
私の小学生の頃からの友達であり、兄のような存在。
「…ユウうるさい、ってか描いちゃだめなの??」
私は嫌な顔をしていたと思うけど、正直嬉しい。
そのことをユウは理解してくれている。
「お前、絵ばっか描いてて楽しいか??」
「楽しいょ、綺麗な絵が描けたらね」
そういって私は席をたちトイレに向かった。
「ひなこってさぁ…本当はやさしいんだょ?なのにどうしてあんな風に
なっちゃったんだろう…?」
トイレに入る前に聞き覚えのある声が聞こえた。
「やさしい~??ピアスいっぱいあいてて愛想悪いし…
あきらかに不良って感じじゃんかぁ~」
トイレの中で自分の悪口がいわれていてそこに
平然と入るのは少し無理がある…
どうしようか迷ってたときにトイレの中で怒鳴った声が聞こえた。
「そんなことない!!!ひなこは優しくてすごくかわいい!!!!」
そんなこと言う人なんて初めてでびっくりして動けなくなった。
トイレの入り口で唖然とすることしかできなかった。
「私は…優しい………?」
一人ぽつんと呟いて正気に戻った。
そのときにトイレから女の子が涙を浮かべながら飛び出してきた。
「…!!!!!!ひなこ!!!!!!」
「……せいな??」
せいなとは1年生の頃仲良かったけど2年生になってからはメールすらしなくなった友達だ。
メールがなくなってから嫌われたんだ。そう思ってたのに…
せいなが私をかばった??
どうして???
「ひなこ…今の聞いて…??」
せいなは涙を浮かべた目でこっちを向いて覗き込んできた。
「……聞いてない、なんで泣いてるの?」
どうやって返せばいいかわからなくて嘘をついた。
「じゃぁいいや!」
そういって無理やり笑ってせいなは自分のクラスに走っていった。
私は深呼吸をしてトイレに入った。
中にはまだせいなとしゃべってたコがいるはず。
扉をあけて中を確認するとやっぱり髪の長い女の子が一人。
そのコは私に気がついてあわてた感じだった。
「…あなたせいなの友達??」
私は一言そう聞く。
「ぇ…あ…そうです・・・けど・・・・・・」
すごく動揺して私に答えた。
なんでこんな悪口を言う人に泣かされなきゃいけないんだろうか。
私はそのコの顔の真横を狙って壁を殴った。
「私の悪口はなんでも言えばいい、でも自分の友達を泣かせるなんて最低だよ」
そう一言いって私はトイレからでた。
