「痛っ!!!」
息のかかるくらい近くで小さなうめき声が聞こえた。
ぎゅっと瞑っていた目を開ける。
「・・・開くん?」
大きな獣の耳。
くるりとした愛らしい瞳。
小さな笑窪。
そして、白い頬にできた小さな切り傷。
「高藤さん、大丈夫?・・・って、魔界って凄いなー。身体能力も大幅アップ?俺、今凄い早く走れた気がする。」
にこっとはにかむ。
そして、私をゆっくりとおろしてくれた。
そして、理解した。
「助けてくれてありがとう。」
「いや、全然いいよ。女子が傷つくのは見てられないでしょ?」
めちゃくちゃキザだったけど、純粋に嬉しかった。



