「寒いっ・・・」
普段弱音を言わない咲がそうつぶやいた。
だから相当寒いんだ。
だって、ここは地下1階。
階段って上に行けばいくほど温度は上がるっていうけどここまで寒いのは初体験で。
「だれか、火でも起こせないのか?」
三守君もお手上げの様子。
私の力は宝箱を守ることはできたけどたいていは戦闘用にできているから火なんかは起こせるはずもなく。
「私はシールド張るだけで精一杯だし。」
「私は逆に火鎮火の魔力しかないし。」
「俺は、瞬発力と体力が異様に上がるだけだし。」
「俺は、戦闘用が基本だし。」
そして、ある人に視線は向けられる。
「えっ、あたしは。何ができるんだろう。」
いまだに力を使っていない咲。
咲ならできるのかもしれない。