疲れた体でしばらく歩いていくと見慣れた人たちがいた。
勇美野裕刃(イサミノ ユウハ)と長瀬貴之(ナガセ タカユキ)だった。
小柄な勇美野君と身長はないけど体格のある中年のおじさんみたいな顔の長瀬君はいかにも不釣合いだった。
長瀬君は通称(おっさん)なんだけど。
「おっさん、なんて恰好してるんやて。」
夏ちゃんが誰よりも早く突っ込んだ。
だって、おっさんの格好は黄色いヘルメットに緑の文字で安全第一と書いてあるのをかぶり、服はくすんだ緑色の空調服を着ていた。
どう考えても工事現場のおっさん。
いや、とても似合ってますよ。
「いや、知らんのやて。ここに来たらこんな格好で。」
困った顔でガシガシと頭をかいた。
っていっても、ヘルメットなんだけど。