しばらく走っていると人影が見えた。



「しっ・・・!」



叢に隠れるように指示されて身をひそめる。



月明かりに照らされた湖の近くに2人はいた。




有海ちゃんは杖を真田君のほうへ向けて真田君は必死でそれを短剣で防いでいる。



でも、どちらが優勢かを考えたら一目でわかる。



真田君はかなりのダメージを受けていて血だらけだった。



「妖精は月明かりで能力が強化されるんだ。」




オカルト三守君が隣でささやく。



さすが、こんなときまで。



でも、放っておいたら真田君死んじゃうじゃん。



「どうすればいいの?」



「・・・行くか。」




三守君はスッと立ち上がって歩いていく。




私もそのあとを追った。