伶麻奈の終わりの号令をするのも精一杯でやっと帰れると思ったときだった。
「柚子、ごめん。トイレ行くからさきに教室向かってて。」
恵美里が手を合わせる。
そんなこと言わなくても・・・
「着いてくよ。私もついでに行っておきたいし。」
でも、恵美里はそれを許さない。
「だーめ。柚子、今日日直でしょ?鍵開けないとみんなに迷惑かかるから。また、昼休みにでもいくからさ、ね?」
「うぅぅ。早く戻ってきてね?」
「分かってるって。まったく、トイレ行くだけで大げさなんだから~。」
そう言って恵美里は走っていってしまった。
あんだけ、疲れてたのによく走れるな。
まあ、恵美里は体力も運動神経もいいから私よりも回復が早いんだろうけど・・・
しょうがない、教室に急ぐか・・・



