「せめて、このくらい」 それから、身を追って、顔を寄せてくる。 類は、カタまって、動けなくなる。 悟は、さっと緊張した類の耳元に、 「『尊敬』も、『ステージの上にいたヒト』 も、オレにとっては邪魔だから、やめてもらえないかな」 言って、身を起こす。 「もうちょっとだけ、身近に感じて欲しいんだけど。 お兄さんそれ以上は求めないから」 言いながら、悟は思わず自虐的な笑みをもらした。