恵美side


   「手術は成功しました。」


この話は、花音ちゃんの手術が成功した後の話。

医者は手術の成功を告げる、だけどその表情は曇っていた。
なぜ?そんな顔をしているのか不思議だった。


   「だが・・・・・。」



   「だが・・・・・?」

医者の続きの言葉がとっても、気になった。
だけど、その続きの言葉が怖かった。


いや、私はこの言葉の続きが分かっていた。





だって、花音ちゃんの行った手術は・・・・・





   「これからの、人生・・・・ないに等しいと考えていてください。」



そう、ただの心臓の悪化の進行を遅らす手術。


もともと、花音ちゃんは20歳まで生きれるほどの強い心臓を持っていなかった。



私が花音ちゃんに、病気が治るよっていたのは・・・・すべて嘘。



ただ、可哀そうだったから・・・大がかりな嘘までをついて、喜ばせたかった。


あの子には、希望を抱かせたかった。


まだ、人生があるよって。楽しみがたくさんあるんだよって。







私、最低だよね・・・・・。





いまになって、その失態に気づいていく。






ただの夢幻を見せていただけなんだ。