「あ、メットは俺が持っとく」
「…ん」
輝に、白に黒いラインが一本入ったメットを渡した
今は家の前
バイクに乗ってると時間なんか感じない
もっと、乗っていたいって思う
「凛、黒龍に気をつけてね」
「こく、りゅう?」
「この前、凛を襲った奴ら」
「…ああ…」
そういえば、そんなこともあった
「黒龍と俺らの族、敵対してるからさ
プリンセスが狙われる可能性あるしね」
「…どんな、族なの」
輝の表情が一瞬にして曇った
「…犯罪ならなんでもする
最低な族」
ああ、黒龍と何かあったんだ
そう思ったけど
「ふぅん」
聞けなかった
聞いちゃいけない気がした
「だから、これからは今以上に俺らと行動してね?」
あ、戻った
「それが、狙いか」
「ばれたー?」
……なんで、また…
「無理して笑わないで…」
「……っ……
は、は……凛には、バレるな」
輝があたしの髪を触った
とても、優しく
「ダメだよ?凛
そんなコト他の男にいったら…」
「ん」
「じゃあ、また明日ね?」
「うん」
そう言うと輝はバイクでもと来た道を帰って行った
……また、深入りしてしまった気がする
ダメだと分かってても……
自制しないと
あんな悲劇を繰り返す、まえにーー……
