キモチの欠片


あたしの姿を見て葵は満足そうに笑う。
戦いに負けた気分で地団駄を踏みたくなる。

「柚音ちゃんて大声を出したり騒いだりする子だったんだね。新たな一面を見たよ」

遠藤さんがポツリ呟く。
普通に騒ぐんですけど、遠藤さんはあたしにどんなイメージを持ってたのか逆に聞きたいぐらいだ。

ここでハッと気付いた。
そういえば今日は合コンをしてたんだ、と。

ギギギ……とロボットのような動きで恐る恐る左側を向くと口をポカンと開けてあたしと葵のやり取りを見てる人たちが多数。

遥は呆れたようにあたしを見ていた。

お姉様たち、特に桐島さんは鬼のような形相で睨んでくる。
せっかくの合コンなのに騒いでしまってすみません!
心の中で平謝りする。

パッと目が合った原田さんは意味深に笑ってるし。
その笑顔は何ですか?

一緒に騒いだ葵は知らん顔でウーロン茶を飲んでいる。

だから、合コンなんか来たくなかったのよー!と心の中で叫んでいた。