キモチの欠片



これはなにかの間違いでしょ?あたしが酔ってるから夢なのでは、と錯覚をおこした。



だけど、あたしのほろ酔いの熱い唇とは反対にひんやりと冷たい葵の唇からのキス受けるたびにこれは現実なんだと思い知らされる。


息を吸おうと少し口を開けると、葵は待ってましたと言わんばかりにその隙間から強引に舌を捩じ込んできた。



「はぁ、……っ、ん……」

歯列をなぞり口内へ入ってきた舌が逃げるあたしの舌を絡めとり吸い上げる。


息苦しくなり口を開けるとすぐに深いキスが落ちてくる。頭が真っ白になり、呼吸もろくに出来なくなり生理的な涙が滲んできて、葵の胸元をギュッと掴んだ。


それに気付いた葵が名残惜しそうに唇を離す。

あたしは熱に浮かされたように潤んだ瞳で葵を見上げた。


葵はなんでこんなキスをするの?分からないよ。


でも、もっと分からないのはあたしの気持ち。葵にキスされて嫌じゃないのはなんで―――?