キモチの欠片


葵は抱きしめている腕の力を緩め、あたしの両肩に手を置いて額にキスを落とした。

嘘っ、今なにした?
額にはまだ唇の感触が残ってる。

「あっ、葵?酔ってるの?」

おかしい、だって葵があたしにキスをするなんてあり得ない。

「酔ってる訳ないだろ。俺は一滴たりともアルコールは飲んでねぇ」

ですよね。
お酒も何もかも全て拒否してましたよね……って違うっ。

じゃあ酔ってないのになんで?
突然のことに動揺が隠せない。

「葵、どうしたの?おかしいよ、キスなんて……」

「おかしくねぇよ。もう、ゆず黙れ」

あたしの言葉を遮り、今度は噛みつくように唇にキスをしてきた。

「……んっ、」

突然のことに目を見開いた。
全身が一気に沸騰するように熱くなる。

「ゆず、キスん時は目ぇ瞑れよ」

一度唇を離し、至近距離で見つめクスリと笑う。
そして、もう一度唇が重なった。