キモチの欠片


公園を出て街中を葵と並んで歩いてる。
さっきはずっと背中を見ていたのに何か変な感じ。

葵の話を聞けてよかったななんて思っていたら、ふと朔ちゃんの言葉を思い出した。

『逃げても何も始まらない』

確かにそうだよなぁ。
きちんと葵と話をした事でずっと引きずっていたモヤモヤから解放されて清々しい気分だ。


「なぁ、ゆずは何食いたい?和食、中華、イタリアン……いろいろあるけどどれがいい?」

「えー、迷うなぁ。葵は何が食べたい?」


葵の意見も聞いてみようと歩きながら隣を見上げる。


「俺か?」


バチッと目が合うとニヤリと笑う。
何よ、その顔は。


「まぁ、食いたいもんは他にあるけど飯なら何でも、ゆずの食いたいもんでいいぞ」

ん?
他にあるって何だろう。

気になるけどまぁいっか。
細かいことは気にせずにご飯だ、ご飯とあたしは浮かれていた。