キモチの欠片



「で、だいぶ俺の気持ちも落ち着いてきたし、ずっと避けてて悪かったなと思って謝ろうとしたら今度はゆずが徹底的に俺を避け続けたんだ。あそこまでするかってぐらいにな」


葵が眉間にシワを寄せあたしを一瞥するから気まずくて視線をそらす。


「俺の顔を見れば逃げる、話しかけようとしても逃げる、短大だって県外に出る、どこに住んでるか聞いても口止めされてるからと言われ教えてもらえない。ここまで避けられるとは正直思ってなかったから参ったよ」

クシャリと前髪を握り小さな声で呟く。


あの時はホントに意地になっていたから。
ママとか友達にも『葵にあたしのことを聞かれても絶対に何も言わないで』と念押ししていたんだ。


やっと葵があたしを避けていた理由を聞き、胸につかえていた物か取れた気がする。


それと同時に、あたしにも無意識に葵に悪いことをしていたんだと反省した。