キモチの欠片



「…………………」

「…………………」


お互いに無言。


静かな空間に噴水の水の音が微かに聞こえ、たまに車の行き交う音がする。


ここは大通りを一本外れたところにある。
だから車通りは多くはない。


取りあえず昨日の事は謝っとかないといけないよね。



「あのさ、」
「あの……、えっ?」



葵も同時に口を開き、お互いに顔を見合わせた。


何てタイミングだろう。
葵とは喋り出すタイミングがよく重なっていた。



「な、んですか?」


思わず目をそらした。


「いや、ゆずから言えよ。俺はあとでいいから」

葵は先に話すよう促した。


そういえば葵はいつもあたしに喋る順番を譲ってくれていたっけ。