キモチの欠片


「イテテ……、なにすんだよ」

葵がギュッとヤスの腕を強く締め付ける。

「なにすんだよ、じゃねぇよ!お前が正直に言わないんなら、ストーカー被害でこのまま警察につき出してやるぞ!」

そう言った途端にヤスが顔を歪め焦った表情になる。

「わっ、分かったよ。言うからそれだけは勘弁してくれ。俺だって今さら柚音と関わるつもりはなかったんだから、信じてくれよ」


警察と聞いてアッサリと観念したみたいだ。

基本、ヤスはお喋りだしバカだしチャラいけど嘘とかつくようなヤツじゃないと思う。


「で、誰があんたに頼んだの?」

あたしが詰め寄るように聞くと、渋々口を開く。

「遠藤、さん……。お前と同じ会社にいるだろ。その人に頼まれたんだよ」

えっ。
思ってもみなかった名前に衝撃を受けた。

まさか遠藤さんがそんなことを頼むなんて……。
それより遠藤さんとヤスに接点があったの?

信じられないという気持ちで話を聞いていた。