「気にすんなよ、俺が勝手にしたことだから。それより、これ……」
表情が厳しいものに変わり、葵はポケットからグシャグシャになった白い封筒を取り出した。
「……っ、」
ハッと息をのんだ。
これは捨てたはずなのにどうして?ゴミ箱から落ちていたんだろうか。
投げ捨てたのは覚えているけど、ちゃんと入ったのかは確認していなかった。
「それとこれはさっき玄関のドアに挟んであった」
半分に折り曲げられた綺麗な白い封筒を出して二つをテーブルの上に並べた。
「両方とも宛名や差出人が書いてないけど、どういうことなんだ?」
眉間にシワを寄せ、鋭い視線を投げ掛けてくる。
下がったはずの熱がまた一気に上がりそうなくらいの衝撃を受けた。
気分はこれ以上ないぐらい最悪な状態だ。
ちょっと待って。
部屋の玄関に挟んであったって……嘘でしょ。
人違いとかイタズラだろうと思っていたのに。この封筒は間違いなくあたし宛の物だったんだと確信した。



