キモチの欠片


ホント恥の上塗り。
下着姿で仁王立ちってなによ。

あたし、ここまで酒癖悪かったっけ?と頭を抱える。
まぁ、服を脱いでいる時点で悪すぎるよね。

朔ちゃんの前でも変なことをしてないよね?
今度聞いてみないといけない。
そんなことより……。

「あたし、お嫁に行けない」

泣きそうになりボソリと呟いた。

「大丈夫、俺がもらってやるから心配すんな」

コーヒーを飲みながらサラリと言う。

今のは聞き間違いかな。
葵がもらうって……?


「えっ、どういうこと?葵、もしかしてあたしのこと……」

今までの会話の流れからして、まさか好きとか言うんじゃないでしょうね。

「あぁ、昔から好きだけど、なんか問題あるのか?」

平然とした顔で言う。

“昔から好き”この言葉が頭の中でリフレインする。

何度も瞬きをして葵を見る。
しばらくの沈黙の後、口から出たのは間抜けな声だった。

「へっ?嘘っ……」

ドクンと大きく心臓が跳ねた。
早鐘のような胸の鼓動を抑えることができない。