キモチの欠片


「あ、うん。大丈夫みたい」

少し痛いような気もするけど、問題はないと思う。
それよりもお腹空いた。

「なら、さっさと食えよ。俺がわざわざ作ってやったんだからありがたく思えよ」

なに偉そうに言ってんの。
まぁ、確かに作ってもらったけど言い方があるでしょ。
普通に言ってくれればいいのに。

ホント葵は昔から変わらないんだから。


「心して食べさせてもらいます。イタダキマス」

パチンと両手を合わした。
お腹が空いてたからパクパクと勢いよく食べる。

そんなあたしを葵はコーヒーを飲みながらじっと見てる、ような気がする。
困ったな。
そんなに見られると恥ずかしくて食べにくい。

チラッと視線を向けるとバッチリ葵と目が合い、慌てて目をそらしながらトーストにかじりつく。

「ゆずはいつも旨そうに食うよな」

葵がボソリと呟いた。