キモチの欠片


「わっ、美味しそう。あたし、パイナップルとメロン好きなんだ」

テンションが上がり浮かれ気分で口を開き椅子に座る。

「知ってる。ゆずは昔からよく食ってたからな。だから買ってきた」

サラリとおかしなことを言う。
買ってきたっていつ……?

疑問に思っていると、葵はフッと鼻で笑う。


「ゆずがガーガーとベッドで大いびきをかきながら爆睡してるときに買ってきてたんだよ。俺って気が利くだろ」

あたしの表情から考えていたことを読み取ったのか的確に答える。
しかも上から目線の言い方で。

それより聞き捨てならない発言があったんですけど!


「失礼なこと言わないでよ。あたし、いびきなんてかいたことないし」

「自分じゃ気付かないもんな。今度から気を付けた方がいいんじゃないのか?」

「大きなお世話よ」

いちいち人を貶してくるんだから。
それに寝顔とか見られたなんてホント最悪。

「そういや、ゆず二日酔いは大丈夫か?辛いなら薬あるぞ」

バカにしたり優しく気遣ってくれたりする葵の態度に戸惑う。