キモチの欠片


閉じられた寝室のドアを呆然と見つめた。
え、嘘っ……まさかの焦らし?

ボスッと枕にグーパンチした。
こんなモヤモヤしたままご飯なんて食べれないよ。

キュルルルル。

あたしのお腹は欲望に忠実みたい。
どうやらかなりの勢いで食べ物を欲しているようだ。


まぁ、腹が減っては戦は出来ないって言うからここは素直に従おう。

あたしの服は……と、部屋を見渡すとハンガーに綺麗に掛けられていた。

シーツを剥ぎベッドからおりて全身を確認した。
腕、胸、お腹、足……特に違和感はない。

さっき思った通り、葵とは何もしていない。
葵は上半身は裸だったけど、下はハーフパンツを穿いてた。
きっと暑くて上の服だけ脱いで寝たんだろう。

けど、万が一ってこともある。

あぁもう、さっさと話してくれてもよかったのに。
バカ葵。

服を着て髪の毛を腕にはめていたゴムで纏め、寝室のドアに手をかけた。