キモチの欠片


ただ、じっとしていてもこの状況は変わらない。

思い切って一番気になるあのことを聞いてみよう。
すぅ、と鼻から息を吸う。

「あ、葵……あたしたち昨日、なにかあった?」

不覚にもなにも覚えていないから静かに葵の答えを待った。

「なにかって?」

「えっ、それは……」

くっそぉ、分かってるくせにシレッとそんなことを逆に言うなんて性格悪すぎる!
さっさと教えてくれてもいいのに。


「それは?」

意地悪い顔をして聞いてくる。


「だから、昨日……」


グー、キュルル。

うっ、言いかけてあたしのお腹の虫が派手に鳴いた。
空気を読んでよ、と自分のお腹に悪態をつく。


「腹減ってんのか?だったら朝飯でも食うか」


あたしの髪をクシャリと撫でベッドをギシリと軋ませ立ち上がった。


「昨日の話だけど、飯を食ってからだな。それまでお預けだ」


意味深に笑い、髪をかき上げ無造作に床に置いていたTシャツを着て寝室を出た。